ボビー・コールドウェルとお花見

 今年の桜の開花はとても早かった。
早く咲いた桜は長持ちすると聞いた通り、今年は満開の桜があちらこちらで目を引いてくる。
 
 満開になった桜が風や雨で散らされてしまうのではないかと気が気でなかったのは、
お花見が何より楽しかった頃のこと。
生暖かい風が吹くと、ボビー・コールドウェルの「CARRY ON」が聴きたくなってくる。
 

 AORは「とても好き」というわけではなかったが、当時飲み屋という商売柄外せない音楽だったので、
レンタルしたり、タワーレコードで安く輸入盤を購入し、営業中によくかけていた。

 ボズ・スキャッグス、ポール・ヤング、ネッド・ドヒニー、スティーブン・ビショップ・・etc,etc。
AORが似合うのはサーファー(海or陸?)の彼(もちろん車持ち)と
ファラ・フォーセット・メジャースみたいな髪をしたお嬢様系のカップル。
 六本木や青山のカフェバーでパインやバナナが「シュンシュンシュン」と飛び出たトロピカルドリンクを、
細いストローで、すこ~しづつ飲む後ろにこそ流れていて相応しかったのだ。

 
 わたしたちの店にはフルーツがシュンシュンしているようなドリンクメニューはなかったし、
2~3人でホワイトを空瓶にするような女性や、一升瓶からグイグイいってる酒豪の常連さんが多かった。

 そんなお客さんたちと酔いどれ草野球チームを作っていたのだが、
お花見はそのチームにとって最大の年中行事で、その翌日にシーズン開幕の試合があった年には
それはもう大騒ぎだった。
毎晩のように大きなテーブルに集まり、花見の計画や打順決めでわいわいと盛り上がっていた。


 あの時もそんな風に盛り上がっているのを気にもとめずに、
DCブランドに身を包み、物静かに飲む顔馴染みの二人の男性がいた。
来ると必ず二人掛けの窓際の席に座り、キープしていたボトルを飲んでしばらくすると、
「すみません。またいつものいいですか?」と「CARRY ON」をリクエストする。
 初めて来た時に「これ誰ですか?ジャケット見せてもらえませんか」と言われたのだが
「すみません。これカセットテープなんです」と説明のあと付け加えると
「いいですよ。自分でも買います」と笑っていた。


「すみません、今日、ちょっとうるさいですよね」
灰皿を替えながら謝ると
「そんなことないですよ。いつも楽しそうでいいなって、なぁ」
「そうですよ。・・・すみません、また、いつものいいですか」
「はい、CARRY ON ですね」
「今日で僕ら最後なんで」
? 言葉を飲んでしまった。
「二人共田舎で就職決まって、帰ることになったんです」
 二人の佇まいに、てっきり勤め人と思い込んでいたので思いがけない言葉だった。


 このアルバムは45分テープが余るほど短くて、あっという間にB面最後の曲CARRY ONになった。
その曲が流れ出すと二人は席を立って
「マスター、コナラさん、ありがとう。お元気で」と挨拶してくれた。
騒いでいた野球チームのみんなも二人に注目した。
「みなさん、さようなら。試合、がんばってください」


「はい、ありがとうございます」
「お元気で」
鳩が豆鉄砲喰ったような顔で挨拶した面々は、ガラスの窓から二人の姿が見えなくなると、
「かっこよく去ったね~」
「なんか、じんときたな」
「でさ、オレ打順4番でいいんだっけ?」
「違うよ、オマエは8番」
とまたわいわいと野球とお花見の話題に戻っていった。


 なんだかさみしいな、不意打ちなんだもん。
しんみりとテーブルを片付けていると
「ねぇ、オレん時はねぇ、TOTOがいいな」
「オレ、ストーンズ」
「オレ、なににしよっかな~」
と面々が声をかけてきた。
「そんな時、来るんですかね~?」


 そんな時、ずっと来ないと思っていたなぁ。
あの時に、一瞬でいいから戻ってみたいな。
戻れたら、CARRY ON と 例のあのアルバムを、ちゃんとレコードで買っておこう。


  




 



スポンサーサイト

3月の畑仕事・山仕事

P1090396.jpg

 3月のいつからか3匹に増えて、なにやら楽しげに話してるみたい。
「Wさんは鍬遣いが上手だね」
「そうそう。でもKさんはへっぴり腰だよね」
なんて言ってるのかな。


P1090399.jpg

 耕しておいた畑に、12日にジャガイモの種芋を植えた。
ファーム南ちゃん特製の、山の落ち葉を集めて作った堆肥が今年も大活躍。

P1090400.jpg

 男爵、洞爺、北あかりの3種類。
ジャガイモ掘りの楽しさを思いながら、畑に置いてゆく。


P1090402.jpg

 毎年この頃にはいい香りが漂ってくる。
今年は少し遅かったけど、綺麗に咲いた。



P1090430.jpg

P1090426.jpg

  一の森では最大級の樫の木を伐採。
木こりさんのコントロールは見事だった。


P1090425.jpg

 一の森の下の道際から出てきた不法投棄されたゴミの数々。
たまには埋蔵金でも出てこないかしらね~と毎度噂はするのに、未だ見たものは無し。


P1090438.jpg

 市民活動サポートセンターでのアピールが功を奏し、さっそく地域の青少年育成の方から
ハイキングでお弁当を食べるのに使わせて欲しいと連絡が入ったと会長から報告があった。
嬉しくて、せっせと竹掃除。
少しでも心地よくここに居て欲しい、ここを気に入って欲しいと願いつつ。



P1090442.jpg  P1090456.jpg  P1090464.jpg  P1090474.jpg

  山野草たちも咲き始め、これから山は華やぎの季節。


P1090478.jpg

 どんぐりの赤ちゃんも目を覚ましてた。


P1090468.jpg

 移植したツリバナたちもすっかりここを気に入った様子。

P1090452.jpg

 畑から単身赴任?
でもここ見晴らしいいから気持ちいいでしょ。

「ヤッホー!」って叫んでそうだもんね。

 
 


 

最後の下北沢駅と開かずの踏み切りを

SN3F3993.jpg

 先週の東横線渋谷駅に続き、昨日で下北沢駅が地上から姿を消した。
さすがに淋しい。


SN3F3995.jpg


 散歩で行ける隣駅と、仲良く地下に潜ってしまった。


SN3F3996.jpg


 住んでいた頃は電車にはほとんど乗らなかったから、駅は通り道でしかなかった。
中二階の通路はとても個性的な乗り換え空間。


SN3F4001.jpg


 誰が描いたのか、工事の囲いでさえシモキタらしい。


 この塀にへばりつくように、夜になると屋台が開いた。
昼は畳まれ、市場の客にも気づかれない。
おでんの匂いが漂い、怪しい人間模様で席が埋まると、
冷たい通路に敷いたブルーシートで飲んだ。花見でもないのに。
 
 銀行が開くまで飲んでいた、強者たちの夢の跡。


SN3F4002.jpg
 
 
 働き者の手をしていた、小っちゃくてかわいいキムチババア。
日本で一番「小田原アジ」と繰り返していた、ダミ声おじさん。
ダンナの掌に、ちょっぴり多めにお釣りをくれたマダムH。
活気に溢れた市場の喧騒が耳の中に残る。


SN3F4005.jpg


 長く待たされるのも下北沢の一部分。
やっと開いたと渡っていると、知り合いとばったり会ってまた戻り、
次に開くまで立ち話。そんなこともあったっけ。


SN3F4010.jpg

 

 半分も渡らないうちに、カンカンカンって・・最後まで忙しいねぇ。


SN3F4011.jpg



 当たり前の景色が消える。



SN3F4014.jpg



「やっぱジブン、こっちなんですよね、渋谷より」
隣でてっちゃんが3人、談義してた。
おばさんもよ、心の中で合意。


SN3F4018.jpg



 昔、そこにボロアパートがあって、通勤ラッシュ時の停止信号で止まった電車の中から
窓越しに住人と目が合ったことがある。
後に、その窓がトイレの窓だったと知ることになると、
今度は自分がその窓の中の人となり、電車の人と目が合った。


SN3F4020.jpg
  

 懐かしいロマンスカーが来た。



SN3F4023.jpg


 上を走る井の頭線には、いつも太陽が当たってピカピカと光ってるように見えた。


SN3F4028.jpg



 さて。
それじゃあ、バイバイ下北沢駅。

 
 またねって言えないのがさみしいねぇ。




東急渋谷駅 最後の日

 今日で東横線の渋谷駅が最後だと、朝から何度もラジオで話題になっている。
明日からは地下鉄副都心線との直通運転になり、代官山から地下に入り渋谷駅も地下に引っ越してしまうのだ。
 東急文化会館がヒカリエに生まれ変わった時も大きな変化だと思ったけれど、
あんなに大きな駅が移動するなんて前代未聞なのではないかしら。


 先月代官山の上りホームで電車を待っているとき、下りホームにいたサラリーマンが数名、
入って来た電車に一斉にスマホを向けた光景に、まだもう少し先と思っていたこの日が、
間近なのだと気づかされた。

 渋谷駅ではごった返す人の中でホームや電車を撮る人を見かけ、わたしもと携帯に手を伸ばしたけれど、
あまりにも人が多いので撮るのをやめにした。
 目の形のような独特なデザインの壁(というのだろうか)だけを目に焼き付けて、
いつも以上に騒然とした人ごみに押されるように通り過ぎてしまった。
でもそれで充分だと思っていた。昨日までは。


 今日になってラジオから渋谷駅や東横線の話題が聞こえて来るたびに
「やっぱりもう一度見ておきたいな」
「もういいじゃん」
と心が揺れた。

 横浜と新宿、さいたまが繋がるといった話題が多い中、リスナーからのメールは思い出を綴ったものが多く
対照的だった。長い歴史の中で、わたしにも少しだけ思い出がある。

 
 改札を出たところにある太い柱。
あの柱の反対側にいる相手にお互い気づかず、20分くらい待っていた携帯の無い時代の待ち合わせ。


 井の頭線沿線の女子寮に住んでいた頃、友だちに付き合ってよく遊びにいっていた自由が丘から
「時間ぎりぎり~、東横線、もっと早く走って~」と電車の中で焦りまくり、
渋谷駅に着くと井の頭線の最終目指して迷路みたいな渋谷駅を必死で走ったのも一度じゃなかった。


「君は地下鉄日比谷線 ぼくは東横オカジュウへ 」
NSPの歌を口ずさみながら反対側のホームに別れた専門学校時代。
そういえば、日比谷線の乗り入れも今日で終わってしまうんだそうだ。

 
 天井が低くて古いな~と思っていた東急東館は、「85年分のありがとう」って。
今日初めて誕生日を知った。

SN3F3607.jpg
 そのお腹から銀座線が出てくるのも、見られなくなってしまう計画があるという。
  

 谷の街にニョキニョキと高層ビルが立つらしい。
工事が全て終るのは2027年と言っていた。
14年後なんて想像もつかない。

 GRL_0012.jpg


 通勤途中の娘に頼んで、写メを送ってもらった。
「みんな撮ってる~(笑)」らしい。



   NSPの「君は地下鉄日比谷線」の入ったLP持ってたはずなのに、売ってしまったのか・・。
それよりもこの曲の方が「らしい」かな。







  

 先月ここを通った時は下北沢へ行ったのだった。
その下北沢駅もあと一週間。
23日から代々木上原・東北沢・世田谷代田・梅ヶ丘とともに地下に潜ってしまう。
来週もラジオはまた煽ってくるだろうか。

 
 とても曲、選べないなぁ。
こちらは思い出が多すぎて。



ネットでもわからないもの

P1090405.jpg

 物が捨てられないわたしはカセットテープもたくさん残っている。
所有していた最後のカセットデッキが壊れた時、ダンナはすっかり捨ててしまったが、
「もう一度聞いてから捨てる」と言いながら、伸びてしまった数本しか減らなかった。

 妹が録音してくれたユーミンは年の暮れの風物詩。聞けば渋滞の首都高6号線が甦り、
お店用にと何本も編集してくれた常連の彼は、今どこでどうしてるんだろうと思い出す。
思い入れ、わたしはこれが捨てられないのだ。


 今聞くことが出来るのは、子どもたちが子供部屋から独立し、それぞれの部屋を持つようになった時に買った
息子のラジカセ(CD+MD機能)だけだが、カセットでしか聞けない曲があるのでとても助かっている。

 友人から借りたレコードをテープに録音し、雑誌の切り抜きをラベル代わりに使ったり、
アルバム名も曲名もきちんと書いたり、一人暮らしの友もラジカセだったから、その頃まではマメにやっていた。
  

 飲み屋を始めた頃、レンタルレコード屋というのが広まった。
そこで借りたものは忙しさにかまけてテープ本体にアーティスト名とアルバム名を書いた程度で、
それも水仕事の合間に取っ替えひっかえしているうちにボロボロになってしまったし、
気に入れば後からレコードを買うこともよくあった。


 「ハチャとメチャの思い出の曲 消さないで」。
それしか書いてないテープがある。

 イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーという有名な男性デュオの片割れ、
ジョン・フォード・コーリーが二人の女性と組んだ美しいボーカルトリオ。
借りたのは1981年春だった。
正式なグループ名もアルバム名も、もちろん曲名も何もわからない。
「消さないで」と書いたのも、だいぶ経ってからだ。


 1980年のクリスマス・イブに開いた飲み屋は場所がよかったお陰で忙しい毎日だった。
始めたばかりの頃は昼の3時から店を開けていたので、買い出しが正午ちょっと前。
下北沢の北口の市場へと階段を下りるとダンボールに捨てられた子猫を数人が囲んでいた。

 その中で2匹はへその緒が絡まって離れられない状態だった。
結婚前から捨て猫を拾っては獣医さんに連れて行っていたダンナがその2匹を手にとった。
わたしたちは飼える状況ではなかったが、そのままにもできなかったのだ。

 
 まだ目も閉じたままの手のひらに乗るサイズの子猫は、獣医さんが診ても命が危険な状態だった。
それでも手当をしてくれ、それまでのように初診料は免除してくれた。


 店の横に車を停めて、数時間おきに哺乳瓶でミルクを飲ませた。
店が終わると自宅に連れて帰り、小さなかごの中にベッドを設えて寝かせた。
元気になったら貰ってくれる人を探さなければならないので、本名はつけず、ハチャメチャ忙しく
なったので、「ハチャ」と「メチャ」と呼ぶことにした。

 ハチャメチャに忙しくなったのと、そのレコードを借りたのがきっと同時くらいだったのだろう。
このカセットテープを聞くと、小さな2匹の猫がわたしたちの生活の中にいた短い時間を思い出す。
レコードを買うと決めたから、テープが名無しのゴンベイのままだったのかもしれない。
そのうちにと思っているうちにずいぶん経ってしまったのだ。
再発レコードで出てないかと探したり、ディスクユニオンで探してみても見つけられなかった。


 今、たいていのことはネットで検索すれば出てくるし、まさかと思うものまでyoutubeにある。
でもどうしてもこのグループは見つけられない。名前すら出てこないのだ。

 
 安売りテープは殆どダメになり捨てる羽目になった。
このレコードをいいテープに録音した22歳の自分にグッジョブと言ってやってもいいかなと思う。


 たった数日だったけれどハチャとメチャがいた日々が忙しくて楽しかったのだとこのテープが語っているのだから、
最後までわからずこれ以上手が出せないものがあるのもいいのかもしれないな。


 

  
 外は春の嵐が激しく吹き荒れているので、爽やかな秋風をお部屋に。



 

野山北・六道山へ

 P1090331.jpg
 
 一度行ってみたかった野山北・六道山へ昨日行って来た。
地域の行事で行ったことのあるダンナがパンフレットを持っていて、駐車場があるのがわかったので
車で出かけることにした。

 平成ぽんぽこ狸の多摩丘陵にある南山からは北西に20キロ弱。
あちらは埼玉側にはトトロの森が点在する狭山丘陵にある都立公園だ。


 途中、猫返し神社のある阿豆佐味天神社の前を通るので、もちろんここは感謝のお参りをして行く。

P1090328.jpg   P1090329.jpg


 青梅街道を走っていると、こちらにも同じ「阿豆佐味天神社入口」という信号があった。
そのすぐ次の信号が「里山民家入口」なのだが、あまりに細い道で一度見逃してしまった。
Uターンして来て入って行くと、すれ違い困難な細い古い路地の先に駐車場が現れた。
南山は京王線の駅から5分ほどで入口だから、アクセスも対照的。


 車を降りてすぐに「こんにちは!」と声をかけられた。
首にタオルをかけた見慣れたスタイルに親近感を覚える。平日のボランティアさんのようだ。
パンフレットを家に置き忘れてしまったのだが、その方が「ありますよ!」と一部くださり
簡単な説明をして「ゆっくり楽しんでいってください」と言ってくれる。
とても誇らしげな話し方が印象的だった。


 P1090344.jpg

P1090345.jpg

 
 規模は違うけれど、谷戸の景色はどこも同じ優しさを湛えているなぁ。

P1090335.jpg


 稲城にも同じ景色があった。夏には蛍が舞う田んぼ。今は土砂の下。


P1090336.jpg


 野外音楽堂でしょうか。

P1090337.jpg


 音楽堂と展望台のある広場でおにぎりを食べて、しばし昼寝。
桜の季節にはここにお店がいっぱい出ると、年配の男性がお嬢さんらしき人に話しているのが聞こえてきて、
その様子を夢現に思い浮かべながら目を覚まし、展望台の階段を上った。
 残念ながら富士山もスカイツリーも靄の中(ならいいけど、PM2,5の中!?)。


P1090350.jpg


 広めの尾根道を歩き、田んぼまで降りて民家の縁側で一休み。
レンジャーの方と少しお話をした。
 都立公園になる前は谷戸にゴミが不法投棄されとても荒んだ場所だったとのこと。
谷戸は水が豊富で貴重な耕作地だったので、都が買い上げながら公園にしていったのだそうだ。
初めはそのゴミを片付けるところから始めたそうだが、とにかくひどい状態だったらしい。

 今ではたくさんのボランティアが関わってこの里山公園を魅力あるものにしているみたいだ。
雑木林の再生に汗を流す大人、自然観察や遊びで里山を学ぶ子ども、そして一緒に楽しく味わう収穫祭。
南ちゃんが南山で実現させたい場がここにはすでにあって、たくさんの人が楽しみながら力を発揮している。
パンフレットの「なつかしいようで 未来へつながる公園」そのものなのだ。


「またぜひ来てください」と見送られて民家を出ると、車で公園の東に隣接する「かたくりの湯」へ向かった。
広いので全部歩くのはそうとう時間がかかりそうだし、県境は金網が続いているらしい。

 地図で見ると市立野山北公園となっているがもちろん山続きの場所で、こちらも少し歩いてみた。

SN3F3942.jpg

P1090351.jpg
 

 水がある風景はいいなぁ。
予想外の釣り堀があり、たくさんの釣り人が糸を垂れていた。

SN3F3943.jpg

 亀が甲羅干し。
釣り堀は太鼓橋とその向こうの吊り橋のまたその向こう。
管理事務所の横の外の台で囲碁に熱中するお爺さまたちもいて、いたって長閑。


 ここ、東京って思えないね。
よく南山でも聞かれる言葉が喉まで出かかった。

 
 温泉につかってゆっくりした帰り道、立川から見る夕日は稲城よりとても大きかった。


 
 


 
 





春がだんだんやって来る

P1090308.jpg

 おとといは桃の節句。
今年は2泊3日でお出ましになったお雛様に春の気配を感じるも、外に出ると風が冷たかった。


 山の麓に着いたところで‘南ちゃんのトトロさん‘に会い一緒に坂を登る。
だんだんと体が温まり、畑に着く頃にはやはり厚着をし過ぎたと思うことになった。
とくに地面は暖かく、身長158センチの頭で感じるより春の用意が進んでいるようだ。


P1090310.jpg

 今年は雪のせいで大木が倒れたり、枝が折れたりして危険な場所も多い。
でも2年前の地震で地盤が揺れて根っこが緩んでいたから余計なのかもしれない。
一の森で一番気がかりだった山桜の大きな枝も大風の日に落ちて下の枝に引っかかってしまっていた。
それを男性陣が落として、ほだ木のように斬ってちょっと嬉しそうな顔で運んでいた。
「ナメコ ナメコ・・」と唱えながらね。


P1090311.jpg

 女性陣はモグラ叩き・・をしていたわけじゃあありません。
一の森の「苗床」から、いよいよ根を張って生きてもらうために苗を移植しました。


P1090312.jpg

 こっちが苗床。
ここには、また次世代のちびっこたちを植えます。
かた~い土で耕すのが大変。


P1090313.jpg
 
 落ちてる枯れ枝だか植えた細い枝だか区別がつかない(笑)


P1090315.jpg

 道の反対側も笹を刈ってくださっていたので、また新しい景色が生まれました。


P1090318.jpg

 畑に戻って残っていた野菜を収穫。
ポットの横でコロンコロンと転がっていたクヌギのどんぐりが芽を出しています。
仲間がポットの中に植えたのはウンでもスンでもないのにね。


 P1090319.jpg  P1090320.jpg

 小さめ大根、虫くい小松菜、ブロッコリーの脇芽、発育不良の人参。

人参はさっと茹でてマリネにしました。
ちっこいながら、人参の香りと味がしました。
今年は上手に育てたいな~。



 

カラスノエンドウ

P1090305.jpg
 毎年この季節になると、近所の友人が水俣から取り寄せた夏みかんを数個くれる。
もう何年になるだろう。指折って数えてみたら、もう15~16回になることに気がついた。
月日が経つのが早いねと、昨日持って来てくれた彼女と久しぶりにお茶を飲みながら話していたのだけど、
こんなに年月が経っているなんて、思っていた以上で驚きだ。


 息子が小学生になってすぐの頃だった。息子が帰宅してしばらくすると玄関で呼び鈴が鳴った。
出てみると学童クラブの保護者会で面識のあった、近所に住む男の子のお父さんだった。
「お宅の息子さんが学童からの帰り道でこれをたくさん摘んで、食べられるからとうちの息子にくれたそうなんですが、
本当に食べて大丈夫なんですか?」
そう言って目の前に差し出されたのはカラスノエンドウだった。

 苦情を言いに来たのとは違うようなのがわかったので安心して
「あ、はい、食べられますよ。お浸しとかサラダで」と答えた。
「息子さん、よく知ってますね。すごいなぁ」
「赤ん坊の頃からキャンプに連れていって、食べられる野草を絵本を見ながら探して食べていたので」と言うと
「それは頼もしいなぁ」と感心してくれ「これからもよろしくお願いします」と帰られた。
それが彼女のダンナさんだった。


 それからすぐの週末、うちに遊びに来た息子さんを迎えに来たお父さんが
「これ美味しいんですよ、知ってます? あそこの新しい住宅の前の古い豆腐屋さんの厚揚げ」とお土産をくれた。
豆腐屋さんがあることは知っていたが、買うのはスーパーばかりで買ったことがなかった。
食べてみたら、今まで知らなかったのがちょっと悔しいくらい美味しかった。
 
 その厚揚げに始まり、彼女と彼のご夫婦からはいろいろな地元のいいものを教わったり、
息子もほかの学童の仲間と一緒に楽しい体験をさせてもらったりして、そういえば、
息子たちがお祭りで一匹の亀を共同出資で買ってきて二軒を行ったり来たりさせたいなんて言ったこともあった。

 我が家ではその頃よくダンナがパンやケーキを作っていたので、うちの息子が遊びに行くとき持たせてみたら、
やっぱり、ググッといい反応が返ってきた。
手作りのものは誰にでもというわけにはいかないとわたしは思う。
そんなものを持たせたら、引かれることだってあるのである。
そういう場合はスーパーで買った袋菓子がちょうどいい。そういう価値観の違いってあるのだ。
どっちがいいとか悪いとかじゃあない。ショーンが言ってる「ちょうどいい!!」あれだ。


 違う保育園から集まった学童の仲間4、5人と自転車で走り周り、外で遊んでいるのかと思ったら誰かの家に上がり込んでゲームに没頭していたり、時には仲間外れ事件が勃発したり、どこかの玄関に小さな運動靴が何足もぐちゃぐちゃに脱ぎ散らかしてあったあの頃の友人が、息子にとっては幼馴染みと呼べる存在なのだろうと思う。
今はそれぞれバラバラみたいだけど。


 その仲間の親同士もいい感じの付き合いをさせてもらった。
お互いに子どもの面倒を見たり、ゲームをしているのを横目にお酒を飲んだりして、
子どもが中心とはいえ、子どもの話題だけに終わらなかった。
息子たちの学童クラブでは、夏に保護者主催の相当ハードな一泊キャンプが伝統的に続いていて
そんな中で気が合った親とは仲間意識が生まれるのだった。


 子どもが中学生の頃までは、保護者会や行事であんなにしょっちゅう顔を合わせ、
煩わしいこともあったいろんな親との付き合いも、子どもが高校生になると親の生活時間も変わるのか
、スーパーなどでもふっつりと顔を合わさなくなるし、たとえ立ち話の好きな人に出くわしても、
無理して話すこともない。
ラジオからカノンが流れるこの季節がくると、親もあの時一緒に卒業したのだなぁとふと考える。


 誰かのママとしてではない付き合いが出来る人とは、いつか婆友になって一緒にお達者カーで散歩したり、
病院の待合室で待ち合わせたりするんだろうね。


 ビールを飲みながらそんな笑い話をしていた頃から15年くらい経ち、あのお豆腐屋さんは店を畳み、
去年の成人式で久しぶりに会った息子の幼馴染みは、ホストみたいにかっこよくキメていたけど丁寧に挨拶してくれた。
子どもが小さい頃のような楽しいイベントは減り、退屈な日々が増えて、もしかしたらこの先認知症になるかもしれない。
運良く元気に年をとって、婆友になるまであと何年くらいだろう。
間違いなくぼちぼちと近づいてはいるらしいけど。



 夏みかんはこれから皮を剥いて、中身を出して、手が掛かるけど楽しい下ごしらえをする。
明日マーマレードが出来たら、彼女にも届けに行こうと思う。
彼女の家の玄関は、いつもよりちょっと懐かしいかもしれない。     


 
プロフィール

櫟コナラ

Author:櫟コナラ
里山と多摩川のある街で暮らしています。
家にいる時は、音楽かラジオをかけて、パンを作ったり、ネコと戯れたり。
うまく子離れしている・・つもりなんですが・・・。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
南ちゃんの活動 里山の出来事 (93)
パン作り (7)
momoとそらの話 (4)
遠出やらなにやら (28)
未分類 (3)
そら豆の機嫌 (1)
下北沢 (3)
映画 (6)
富士山 (6)
音楽と一緒 (179)
ブルース・コバーン (2)
チェット・ベイカー (1)
ニッキー・ホプキンス (1)
パティ・スミス (2)
ジェームス・イハ (2)
10cc (1)
ムーディ・ブルース (1)
ベイ・シティ・ローラーズ (1)
アル・スチュアート (2)
ローリング・ストーンズ (8)
U2 (4)
カーズ (1)
ジョージ・ハリソン (4)
イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー (1)
NSP (1)
ボビー・コールドウェル (1)
ニコレット・ラーソン (1)
グレッグ・オールマン (1)
フリートウッド・マック (2)
ブラザーズ・ジョンソン (1)
クライマックス・ブルース・バンド (1)
アメリカ (3)
ダン・フォーゲルバーグ (1)
アフロディティス・チャイルド (1)
バック・ストリート・クローラー (1)
スイング・アウト・シスター (2)
スーパー・トランプ (1)
ドゥービー・ブラザーズ (2)
エリック・クラプトン (2)
ポンキッキーズ (1)
バッド・カンパニー (2)
クリストファー・クロス (1)
リッキー・リー・ジョーンズ (1)
ビートルズ (5)
トム・ウェイツ (1)
宇多田ヒカル (1)
ラズベリーズ (1)
シャーデー (2)
コールドプレイ (6)
ジョニ・ミッチェル (4)
トッド・ラングレン (1)
オフコース (1)
ロッド・ステュワート (1)
TENSAW (1)
ポール・マッカートニー (3)
リンゴ・スター (1)
POPS IN PICTURE (1)
ジョン・アンダーソン (3)
唱歌 (1)
大瀧詠一 (1)
スティクス (3)
EL&P (1)
グループサウンズ (1)
ザ・バンド (1)
スティーブン・ビショップ (1)
ペンギン・カフェ・オーケストラ (1)
ジョン・メイヤー (2)
社歌・・etc (1)
ピーター・ガブリエル (1)
小室等 (1)
ティンガーラ (1)
アウスゲール (1)
パワー・ステーション (1)
チューリップ (1)
エリオット・スミス (1)
スマッシング・パンプキンズ (1)
クリーム (2)
ホール&オーツ (1)
シン・リジィ (1)
アクロス ザ ビュー (1)
モビー・グレープ (1)
デビッド・カバーデイル (1)
ディープ・パ-プル (3)
ホワイト・○○○○ (1)
バッド・フィンガー (1)
ロブバード (1)
ダーク・ダックス (1)
UK (1)
ソノシート (1)
ふきのとう (1)
シーナ&ロケッツ (1)
ペット・ショップ・ボーイズ (1)
ベイビーズ (1)
フリー (1)
デビッド・ミード (1)
ブルーオイスターカルト (1)
キングス・オブ・レオン (1)
クイーン+ポール・ロジャース (1)
デレク&ザ・ドミノス (1)
BAHO (1)
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ (1)
ロン・ウッド (1)
キース・リチャーズ (1)
仲井戸麗市 (1)
カルメン・マキ (1)
ミッドレイク (1)
ストーン・テンプル・パイロッツ (1)
イエロー・モンキー (2)
デビッド・ボウイ (2)
ミック・ロンソン (1)
トム・ペティ&ザ ハートブレイカーズ (1)
カルチャード・パールズ (1)
生沢佑一 (1)
ザ・キンクス (1)
キング (1)
ポコ (1)
レッド・ツェッペリン (1)
TOTO (3)
ジェシ・デイヴィス (1)
レーナード・スキナード (1)
スティーブ・ミラー・バンド (1)
レスリー・ケリー&ジョン・フォード・コーリー (2)
リビー・タイタス (1)
ルーマー (1)
グレッグ・レイク (1)
ステイタス・クォー (1)
JDサウザー (1)
アル・ジャロウ (1)
打首獄門同好会 (1)
トム・ロビンソン・バンド (1)
ランディ・クロフォード (1)
最新トラックバック
月別アーカイブ
ブログに書いたアルバム 2
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
関連本
ブログに書いたアルバム

High Winds White Sky

チェット・ベイカー・フォー・カフェ・アプレミディ

夢見る人

ウェイヴ

LOOK TO THE SKY

The Original Soundtrack

THE Very Best of THE Moody Blues

Rollin

スティール・ホイールズ

ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム (DVD付 初回限定盤)

錯乱のドライヴ/カーズ登場(紙ジャケット/SHM-CD)

Carry on

Sleep Baby Sleep

Laid Back

ファームハウス

Tango in the Night

牙(タスク)

ベスト・オブ・ザ・ブラザーズ・ジョンソン

Mirage

Rumours

Fleetwood Mac

Cloud Nine

アイ・アム・サム

Plays On ~ Remastered & Expanded Edition [from UK]

Lucky for Some

ザ・トルバドールズ

America Original Album Series

flip flop

Welcome to the Real World

ホーム・フリー(紙ジャケット仕様)

666

シェイプス&パターンズ

Dream of Life

Burn

PUNCH DRUNKARD

Look to the Sky [Analog]

ブレックファスト・イン・アメリカ

Doobie Brothers ドゥービーブラザーズ / Best Of The Doobies 輸入盤 【CD】

461 Ocean Boulevard

ラン・ウィズ・ザ・パック

Christopher Cross

パイレーツ(紙ジャケット/SHM-CD)

プリーズ・プリーズ・ミー

クロージング・タイム(紙ジャケット仕様)

ベスト~フィーチャリング・エリック・カルメン

プロミス

ラント:ザ・バラッド・オブ・トッド・ラングレン(K2HD/紙ジャケット仕様)

ワインの匂い(紙ジャケット仕様)

Smiler

Captain & Me

ポール・マッカートニー

イン・ザ・シティ・オブ・エンジェルス

イッツ・オンリー・ロックン・ロール

All That You Can't Leave Behind

A LONG VACATION 30th Edition

グランド・イリュージョン~大いなる幻影(紙ジャケット仕様)

Cornerstone

Crystal Ball

ELP四部作

ラスト・ワルツ 特別編 [DVD]

Wings Over America

Bowling in Paris

【輸入盤】ASGEIR アウスゲイル/IN THE SILENCE(CD)

【送料無料】 Power Station パワーステーション / Power Station 輸入盤 【CD】

TAKE OFF(離陸)

Figure 8

FC2Ad