1年前のTOTO

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30年遅れでTOTOに聴き浸る日々を過ごしていたある日のこと、
図書館でCDの並んだ棚に視線を泳がせていると、初めてTOTOの文字を見つけました。
今まで貸し出し中で見る機会がなかったのか、それとも目に入らなかったのか、
このタイミングでこうくるか~と手に取ると、『XIV』とあります。
ローマ数字は苦手なので、14でいいのかな? と自信のないまま
眉間にシワを寄せて帯に書かれた小さな文字を追うと、邦題は『聖剣の絆』といい、
去年、前作から9年ぶりに発表されたニューアルバムだと書いてあります。
ずっとファンでい続けた人には、嬉しいニュースだったんだろうな、と
今年、来日公演にいって興奮していた友人の顔が浮かびました。

今、TOTOモードになっているからといっても、どんな音が出てきても、
先入観で聴き比べたりできるほどTOTOを聴いてきたわけではないので
まっさらな気持ちで聴き始めましたが、1曲目から最後まで引き込まれたまま
58分57秒が過ぎた時は感無量になりました。

4か月前に1986年で再び動き出したTOTO時計は一気に30年分進み、
玉手箱を開けたら、いっぺんに歳をとった浦島太郎のように
メンバーも年をとり中年男性に変身しました。
ですがそれは声も音も同じです。
20代だったメンバーと同じだけ歳をとって、
今また、円熟したTOTOのアルバムに酔いしれる機会に巡り会えて幸せです。


その夜はネットでさまざまな記事を読み続けました。
ジェフ・ポーカロとマイク・ポーカロの訃報を新聞で読んだときは、寂しかったことは覚えていますが、
今になってあらためてメンバーの思いに触れると、
TOTOを『商業的にビッグなバンド』というイメージだけで捉え過ぎていた自分を後悔しました。




 こんな映像を見ると とくに・・・



ジャケットに「剣」がデザインされたのが久しぶりのことだとか、
このアルバムで久しぶりに復帰したメンバーのことなどを読むと、
自分との偶然にこじつけて密かに喜んだりもするものですが
なかでも、「”Toto IV”の続編のつもりで作った」というスティーブ・ポーカロの言葉が嬉しかったです。


後方のビル群に書かれた漢字で、映画『ブレード・ランナー』を思い起こしたジャケット・アート。
こんなデザインは、LPレコードで欲しかったなと、少し後悔しています。


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30年前のTOTOと

6月に不意打ちにあってから、ずっとTOTOにハマっています。


きっかけはこの日でした



ビルの屋上の若き日のTOTOに、30年遅れの一目惚れをした10日後、御茶ノ水に行く用事が出来ました。
御茶ノ水といえば楽器屋やレコード屋の街です。
これはレコードを探してみなさいということよね、とひとり合点し、
本来の目的を気もそぞろに済ませると、駅前のディスクユニオンで I`ll be over you の入ったアルバム『FAHRENHEIT』を探しました。


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以前は住まいの近くに、「こんな田舎町にディスクユニオンが!」と奇跡のように存在していたのですが
数年前に撤退してしまったので、レコードを漁るのはずいぶん久しぶりのことでした。
『漁る』というのは、一枚ずつ持ち上げてはストンストンと落とす、あの行為のことですが、わたしは勝手にそう呼んでいます。
周りを見回せば、出張のついでに立ち寄った風情の同年代と思われるサラリーマンや
イマドキな若者がヘッドホンを外したいでたちで、真剣な眼差しでレコードに向かっています。
右から近づいてくる人と右に進むわたし。どこで入れ替わるか、あ~、ペース早いなこの人。
でもここはじっくり見たい、とペースを崩さずにいると、不意に一番左まで移動されたりして・・。
心の中でそんなちょっとした駆け引きも楽しみながらレコードを探します。
やっぱりいいなぁ、中古レコード屋さん。


レコードを小脇に挟んでルンルン帰る妄想は、残念ながら(否、残念ではない!)FAHRENHEIT』のレコードがなく(残念ではない!)泡と消えましたが
CDをバッグの中で温めながら帰宅して、すぐにかけてみると、スピーカーから出てきたのは、
Ⅳまでしか知らないわたしが思わず仰け反るほど、いかにも‘80!で AOR? なTOTOで
ボビー・キンボールより何世代も若く感じる新加入(おい!)ボーカリスト、
ジョセフ・ウィリアムズのあまりに伸びやかな高音に圧倒されます。

やはり出会うべき時に出会うものなんだなと思わされました。
1986年当時に聴いていたら、素直に受け入れられたか、自信が持てません。
 I`ll be over you の、本当の良さに気付くのに30年を要したくらいですから。トホ。


今年、このアルバムが発売された1986年がキー・ワードになることが多いのは、今年が2016年だからでしょうが、
「○○創立30周年」などと目にして、30年前にふと立ち返ると、1986年がすっと遠のきます。
ちょっと前だと思ってたのにな。
その思いは、「まだ子供産んでないぞ~」という影武者のツッコミで消えていくのですが。

遠くに行った‘80の音だから、ちょうどよくなったのでしょうか。
素直に心地よくて、夕飯の支度に立つ台所でも、作業が気持ちよくはかどります。
当時TOTOが好きだった筈のダンナは、わたしがこのCDをかけていると
ダンナがシーアをかけている時のわたしと同じような反応を示し、部屋から出ていきます。
まぁ、いいのです、お互い好き好きはありますので。

ですが、よく聴いていたⅣはともかく、懐かしさ満載のHYDRAまで繰り返し聴くようになり
「ねぇ、もっとあったよね? TOTOのレコード」。
などとせっつかれるのは、甚だ迷惑なのでしょう。
売ったことに何年も気づかなかったくせに、なんだよ今頃。
という気持ちはよくわかります。
本当にすみません。鈍感で。


でもこうも思っています。
この曲が流れていた時から今までの間の悲喜交々が
聴く耳を成長させてくれたのではないか、と。
聴力が衰える分を補う力が、どこからか湧いてきているのなら
視野が狭く尖っていた頃にキャッチしそびれた曲たちと
まだこれから出会える機会がごろごろ転がっているのかもしれない、とも。
元々流行り廃りには縁のない身ですから、そう難しいことでもないように思うのです。








わたしも越えよう  I`ll be over you

先日のことです。
ラジオのパーソナリティが、「TOTOで I`ll be over you」と次の曲を紹介したとき
昼ご飯の後のコーヒーを飲みながら「あぁ、あの曲・・」と思い浮かべました。
自宅のテーブルでひとり、朝からずっと掃除や洗濯で動き続けた疲れをホッと癒していた、
毎日の中のなんでもない時間でした。

今まで何度聴いたかわからない、TOTOの有名な曲のひとつで、
特別な思い入れがあるわけではないけれど、きれいなバラードであることは知っていましたから
疲れている心身には「歓迎だな~・・」という気持ちで聴いていると、なにかいつもと違って聴こえました。
ものすごく音響のいい部屋の真ん中に座っているわたしの周りを、
ひとつひとつの音が温かく包んで、体に沁み込んでくるような感じです。
なんだ、なんだ、どうした?と、わけがわからぬまま涙が出て
サビのコーラスが聴こえるころには嗚咽を抑えられないほど泣けてしまいました。
自分でもびっくりです。


ラジオで曲が終わってしまっても、まだまだ聴いていたくて
頭の中でずっと鳴らしながらレコード棚とCD棚を探して、初めて知るのです。
残念、家にあるアルバムの曲ではないんだ、と。
今まであんなに聴いてきたのは、ラジオからだったのか、
それともダンナが図書館から借りてくる‘80ヒット集‘にでも入っていたのかということでしょうが、
仕方がないので、youtubeでPVを見つけると、ここでまた軽く衝撃が走ったのです。

これが、わたしも見に行ったあのTOTOなの?!

TOTOといえば、メンバーは元スタジオ・ミュージシャンで
玄人受けする曲作りのセンスとテクニックを持ち、
圧倒的に男性ファンが多いというイメージで
わたしも80年代初頭に、おそらく武道館に(うろ覚えです~)見に行ったのですが、
一緒に行った男性陣は盛り上がっていたのに、わたしはといえば・・・
シンプルな「アフリカ」と他に数曲、それに仲間の楽しそうな姿しか思い出せない始末です。
席が後ろの方だったということもあるのでしょうが、
ボーカルのキンボールさんがムチっとした体型だったことがやけに印象深いのです。


PVはビルの屋上に怖々上ってゆく微笑ましいシーンから始まり、
歌い、演奏するかれらの姿は、夕陽に照らされる街に負けないくらい、眩しく輝いています。
1986年の曲ですから、既に名声も富も手に入れているはずなのに、その気配は微塵も感じられず
コーラスにマイケル・マクドナルドを加えて、さらに曲に深みを増すことに没頭する音楽好きのお兄ちゃんたち、
ラストの雷雨が来るシーンではやんちゃな面までのぞかせる、愛すべきTOTOの姿が満載のPVでした。



メンバー交代も頻繁に耳に入り、曲も好き嫌いがはっきり分かれるので、
TOTOにはちょっと壁を作って、好きな曲だけ穴から聴いてきた感じですが
それが30年も経って号泣のタネになるのですから、これはこれでよかったと思えます。

ただこういう時は、レコード屋に行きたい!と膨らむ気持ちの持って行き場がなく
今日も、夕飯の買い物に行ったスーパーから、以前はディスク・ユニオンだった店舗を恨めしく睨んで
ふっとため息をついて帰ってきました。
 I`ll be over youの入ったアルバム、『FAHRENHEIT』があるという保証はまったくないというのに。




















プロフィール

櫟コナラ

Author:櫟コナラ
里山と多摩川のある街で暮らしています。
家にいる時は、音楽かラジオをかけて、パンを作ったり、ネコと戯れたり。
うまく子離れしている・・つもりなんですが・・・。

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